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Greeting ・・・・ ごあいさつ



東京での修行を終え、いわきに帰り、自分の店を開いたのが1987年の秋。

今年で20年になろうとしています。

「食」を取り巻く環境も、ずいぶん変わりました。

「おいしい料理を楽しんでもらいたい」という気持ちは変わりませんが

食材に対する考え方はずいぶん変わったように思います。



日本は世界の国々の食材が自由に集められる国。

若いころは「トレンド」なる言葉に乗って、色々な食材を使いもしました。

しかし、日本各地から、世界各地から食材を集められるということは

「季節感」や「はしり」「旬」といったことに対して

知らず知らずのうちに鈍感になっていくということではないでしょうか。



ふと気がつけば、地元には無農薬でおいしい野菜を作っている農家もある。

地元の漁港では、毎日新鮮な魚介の水揚げがある。

このせっかくの「地の利」を使わないのはもったいなさ過ぎます。

(昔は無農薬野菜はとにかく高くて、ごく一部の人達のものでしたし、

地元の魚介を使いたくても、一個店の料理人が、漁港の競りに参加できるなんて

思ってもいなかったのです。)



こうして、野菜は地元の、可能な限り無農薬のもの、

魚介は、店から一番近い漁港の「沼之内漁港」で、自分で競り落としたものを

使うようになりました。



無農薬野菜の甘さ、旨さは「目から鱗」でしたし、

もちろん、活きのいい魚をさばくときの手触り、焼いているときの香り、

焼き上がった魚の旨さは、言うまでもありません。



野菜に関しては、まだまだ無農薬だけでやっている農家が少ないので、

2002年の秋から、200坪の畑を借りて、自分で有機無農薬の野菜作りを始めました。



今は、地元の、季節季節の旬の食材で、コース料理を組み立てています。

肉だけは、地元だけに絞るには数が少ないことと、

熟成させておいしくさせる・・・という面があるので

フランス鴨やスペインのイベリコ豚なども使っています。

ですが、併せて地元の肉も少しずつ発掘していきたいと思っています。



最後に。

20年近く使ってきた「コルドン・ブルー」という店名が

商標権の問題で使えなくなってしまいました。

(l料理学校などを展開するヨーロッパの会社がこの名を商標登録していたからです)

人生、何があるかわからないものです(笑)。

2007年3月1日から「レストラン シェ 栗崎」と名前が変わりました。

着るものは変わってもハートは変わりません。



おいしいものを食べて暮らしたい。

おいしいものを提供したいという気持ちは変わるはずもないのです。


(2007年4月のとある日)


                           Chez Kurisaki オーナーシェフ

                                栗崎 透